2021年2月に読んだ本

2021年2月に読んだ本

読書記録
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FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣【ハンス・ロスリング/オーラ・ロスリング/アンナ・ロスリング・ロンランド】

概要

  • スウェーデンの医師であるハンス・ロスリングさんが長年かけて提唱してきた「ファクトフルネス」という習慣について書いた本。ハンス・ロスリングさん一人ではなく、長年研究を共にしてきた息子のオーラ・ロスリングさんとその妻のアンナ・ロスリング・ロンランドさんの3人で執筆
  • 「ファクトフルネス」とは「ファクト(事実)」と「+フルネス(〜に満ちた状態)」を合わせた造語で、「データを基に世界を正しく見る習慣」を意味する。
  • 多くの人々(特に優秀な専門家であればあるほど)は世界は悪い状況に向かっていると思いがち。
  • 「10の思い込み」という人間の本能的が、世界を正しく理解する妨げとなっている。
  • これら「10の思い込み」の解説と事実に基づいた正しい世界の見方について、著者の経験談、世界の事実に関するクイズ、さまざまな図や写真などを用いて説明。
  • 世界は人々が思うほど悪い状況ではないというポジティブな見方ができるようになる。
  • ファクトフルネスの習慣は、教育やビジネスや個人などあらゆる場面で実践できる。
  • ハンス・ロスリングさんは病気のためこの本の完成を待たずしてこの世を去ってしまった。余命宣告を受けて以降、他のすべての仕事をキャンセルしてこの本の執筆に残りの人生を捧げた。

10の思い込み

・分断本能:「世界は分断されている」という思い込み
・ネガティブ本能:「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
・直線本能:「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
・恐怖本能:危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
・過大視本能:「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
・パターン化本能:「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
・宿命本能:「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
・単純化本能:「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
・犯人捜し本能:「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
・焦り本能:「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

感想

  • ハンス・ロスリングさんの長年の活動と残りの人生を捧げた著書ということもあり、非常に濃い充実した内容であった。語られる内容は難しい話題も多く含まれるが、具体的な著者の経験談や、わかりやすい図や写真の多用により、思った以上に読みやすい本であった。
  • 自分も大多数の人々と同じく誤った世界の見方をしていたのだとわかった。4段階のうち最も高いレベル4の国である日本に生まれ育った自分は、レベル1〜3の世界の現状について、なんとなくのイメージしか持っておらず、正しい見方はできていなかった。
  • アメリカ、ヨーロッパ、日本などが世界をリードする先進国であるという古い常識は捨て、現在、そしてこれからめざましい発展を遂げるアジアやアフリカの国々に目を向けることがビジネスをはじめ、あらゆる場面で必要になるのだろう。
  • まずは、人間には「10の思い込み」があるという事実を知り、受け入れることが正しい見方への第一歩だと思った。世の中の常識やメディアの報道などを鵜呑みにせず、10の思い込みと照らし合わせて本当に正しい見方をできるよう日頃から意識したい。

メモの魔力 -The Magic of Memos-【前田裕二】

概要

  • ライブ配信サービス「SHOWROOM」の代表である前田裕二さんによる、いまや自身の代名詞となっている「メモ」について書いた本。
  • メモの良いところや効用を説明。特に「メモで日常をアイデアに変える」という点に深く言及。
  • 本書のキーワードとなる「抽象化」について説明。「ファクト→抽象化→転用」の型に沿ってメモすることでさまざまなアイデアや価値を生み出すことができる。
  • メモにより自己分析することで、自分の人生の軸・コンパスを手に入れる。巻末には、自分を知るための問いとして「自己分析1000問」を収録。
  • メモで夢をかなえる方法について。メモにより夢を言語化することで実現に近づけることができる。夢のリストアップと優先順位付け、ライフチャートなどのフレームワークなどを解説。
  • 「メモは生き方である」というのが前田裕二さんの哲学。単なる「ノウハウ」でなく「姿勢」である。メモを習慣化することで、生き方が変わり夢を実現していける。

感想

  • 読む前は「メモの魔力」というタイトルからノウハウ本なのかと思っていたが、そうではなかった。ノウハウも含まれるが、本書の核は、アイデア発想、自己分析、夢など、「人生」においてメモが大きな力を持つということ。そう聞くと「大袈裟では?」と思えるかもしれないが、実際にメモによって多くを実現してきた前田裕二さんの言葉はとても説得力があった。
  • メモにより「言語化」の習慣がついたり、会話の流れから「情報の構造化」ができたりするのは、ビジネスにおいて非常に役立つと思った。頭の中で考えているだけでは曖昧なままだが、メモによって半ば強制的に言語化することで、考えが整理され明確になるはず。自分も今後意識して取り入れてみようと思った。
  • 本書で紹介される前田裕二さんの例を見て、「正直、自分にはそこまでできない」と思ってしまった節もある。だとしてもまずは「メモを習慣化」することが第一歩だと思う。「事実をもとに抽象化して転用する」というフローは最初は慣れないだろうが、とにかくまずがやってみて徐々に感覚を掴んでいきたい。

センスは知識からはじまる【水野学】

概要

  • クリエイティブディレクター 水野学さんによる著書。センスの定義、センスを鍛えるトレーニング法、水野学さん自身の経験や事例などを通じて、「センス」とはいったい何なのか?を明かしていく。
  • 「センスとは数値化できない事象を最適化すること」である。先天的なものや感覚的なものではなく「センスは知識の集積である」というのが水野学さんの考え。
  • センスが必要でなく仕事など一つもない。仮に必要ないとしてもセンスが悪いよりよい方がビジネスパーソンのアドバンテージになることは確か。
  • 企業の価値を最大化する方法の一つがセンスである。単なる技術力だけではなく、美意識とセンスによって素晴らしい製品を作っていたスティーブ・ジョブズ率いるアップルがその例。機能面と装飾の両面でセンスを形にしていた企業。
  • 日本メーカーは技術力こそ世界トップクラスだが、トータルで見ると他国のメーカーと同等もしくは劣っている。その原因もセンスにあると思っている。多くの日本企業では、作り手にも経営陣にも「クリエイティブなセンス」がもっと必要。
  • センスの最大の敵は思い込みであり主観性。そういった情報をいくら集めてのセンスはよくならない。思い込みを捨てて客観的情報を集めることこそ、センスをよくする大切な方法。
  • 仮に先天的なセンスというものがあったとしてもわずか数%にすぎない。センスは後天的要素が非常に強い。センスとはその人の感覚ではなく膨大な知識の集積。研鑽によって誰にでも手にできる能力であって、決して生まれつきの才能ではない。

感想

  • 「センスは知識からはじまる」というタイトルから始まり、本文でも何度も何度も繰り返し「センスは知識の集積である」ことが述べられていた。私自身も、センスとは抽象的なもので、先天的に生まれ持ったものというイメージを持っていた。知識を集める努力さえすれば、しっかり身に付くものだという考えを持てたため、この本を読んで良かったと思えた。
  • 水野学さんはプレゼンのときに「感覚的に、これがいいと思う」という言葉や、「かっこいい」「かわいい」などの漠然とした表現は絶対に言わないと決めているとのこと。この話がとても興味深かった。私もそういった表現を使ってしまうことがあったが、そういった表現に逃げず、知識をもとにしっかり言語化することが必要だと思った。
  • 「人は、自分が見たことも聞いたことも触ったこともないものをいいと言う人は、ほとんどいない。100が200になったものはではなく、100が101やせいぜい110ぐらいになったものを見た時に新しさを感じる。こうした市場調査を前提としているのが日本企業の姿勢だが、ここからはアップルのような新しい価値は生まれない。」という話がとても印象的だった。市場のニーズか、自分たちの理想か、このバランスは難しいと思うが、それこそがセンスの見せ場なのだろうと感じた。

「売る」から、「売れる」へ。 水野学のブランディングデザイン講義【水野学】

概要

  • クリエイティブディレクター 水野学さんによる著書。慶應義塾大学で14回に渡って行われた「ブランディングデザイン」の講義の中から主要な4回をもとに書籍用に再編集した内容。
  • 本書の総括は3点。 ①センスとは、集積した知識をもとに最適化する能力のことである ②世の中をあっと驚かせてはいけない ③ブランドは細部に宿る

①センスとは、集積した知識をもとに最適化する能力のことである

  • 前作「センスは知識からはじまる」でも書かれたように、センスとは先天的な才能などではなく、集積した知識をもとに物事を最適化する能力である。
  • 知識は努力すれば集められるので、センスとは努力で身に付けられる後天的な能力である。

②世の中をあっと驚かせてはいけない

  • 他社との「差別化」を意識するあまり無理して不必要に奇抜なものを作ってしまい、結局売れなかったり受け入れられなかったりすることが少なくない。
  • 世の中をあっと驚かせるような気をてらった商品や広告を作ることはそれほど難しくはない。ただし、それでは受け入れてもらえないし売れない。一瞬は話題になるかもしれないけど、継続して売れることは難しいはず。
  • たしかに差別化は必要だが、ちょっとした違いでいい。気をてらった商品や広告などではなく「ブランド力」で差別化するべき。

③ブランドは細部に宿る

  • ブランドとはそのものが持つ個性や特徴や持ち味を表現したものである。それらをひっくるめて「ブランドとは”らしさ”である」と水野学さんは考えている。
  • 「ブランドをつくる」とは「見え方」のコントロールである。世の中から見えるあらゆるものを、その企業にとって理想的な状態になるようにコントロールするということ(この「見え方のコントロール」が最もうまくいってる企業の例が「アップル」や「ダイソン」)。
  • ブランドをつくるとは、河原で石を積み上げていくようなイメージ。商品そのもの、パッケージ、広告、店舗の空間デザインなどといった企業のアウトプットひとつひとつが小さな石であって、それらが積み重なることでブランドを形成している。たったひとつの石の見え方が適切でないだけでもブランドは成り立たなくなってしまうので、細部まで気を配る必要がある。

感想

  • 前作「センスは知識からはじまる」を読んだすぐ後に本書を読んだが、水野学さんのデザインやブランディングに対する考えをより深く知ることができた。「センスとは知識の集積である」という前作での主張が今作でも繰り返し出てきたことから、この考えが水野学さんにとって大きな指針となっているのだと感じた。
  • 水野学さんがブランディング案件に取り掛かる際、まず最初にやるのはその企業や関連する情報についてとにかく調べることらしい。その点からも「知識の集積」を重要視していることがうかがえる。
  • 水野学さんが案件に対してどのように考えどのような提案をしたのかが、本書では多くの実例で紹介されている。そういった仕事の過程を知ることができるのはとても貴重だと思った。
  • 「広告制作の依頼だったがブランディングの提案」「頼まれていないのに勝手にロゴを提案」のような実例があり、とても興味深かった。依頼主の依頼に答えることが必ずしも正解とは限らず、期待以上の仕事をするとはこういうことのなのだと感じた。
  • 水野学さんの著書では度々アップルを例にあげるが、やはりブランディングを語る上でアップルの存在は欠かせないものであると感じた。トップであったスティーブ・ジョブズの徹底的な美意識こそが、アップルの強大なブランド力を作り上げていたのだと再認識した。
  • ちなみに、現在のアップルのブランド力は当時よりは下がっていると個人的に思っている。理由は2点ほど。①絶大なるリーダーシップを発揮してきたスティーブ・ジョブズの不在 ②韓国や中国などの競合メーカーの発展により相対的にアップルの優位性が薄れてきた

世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術【水野学 山口周】

概要

  • クリエイティブディレクターの水野学さんと、著述家の山口周さんが互いの専門分野の知識や経験を元にビジネス、企業、経営、デザイン、アートなど、さまざまなことを語り合う対談本。
  • これからのビジネスを考える上でとても重要な概念が「世界観」を作ること。
  • 「意味をつくる」「物語をつくる」「未来をつくる」といった視点から、今後の企業やブランドはどうあるべきかを語る。

感想

  • 本書を読むきっかけとなったのはClubhouseだった。ある日、水野学さんと山口周さん、そして中川政七商店の中川淳さんの3人がClubhouseで配信していた。水野学さんはもちろん知っていたが、山口周さんのことはこのとき初めて知り、お二方の対談本である本書を見付けて購入した。
  • 本書の根幹となる「世界観」をはじめ、「役に立つから意味がある」、「文明から文化」「説得の時代から共感の時代」などの言葉は、過去の概念を捨ててこれからの時代を生きていくためのキーワードだと思った。
  • 水野学さんの著書でも度々スティーブ・ジョブズについての言及があるが、本書でも何度も語られていた。未来に対する明確なビジョンを持っていたスティーブ・ジョブズは「世界観」を作り上げていた人物の象徴的存在であり、その偉大さを改めて感じた。
  • 対談の中で度々クルマの話題があり、クルマ好きな私としてはとても興味深かった。ヨーロッパの自動車メーカーの起源は19世紀の貴族文化に遡る。貴族が乗る馬車はファッション的要素も強く、見た目が重要であった。ヨーロッパの自動車メーカーはそういった貴族文化の延長上にあるため、デザインとしても非常に洗練されてて美しい。一方の日本車の起源はあくまで「移動手段」であり「役に立つ」こと。レクサスのような高級ブランドはあるが、思想の背景がまったく異なるため、デザインの美しさやブランドの世界観といった点ではヨーロッパの自動車文化には追いつけていないのが現状という話であった。
  • 「世界観」というテーマのもと対談がされているが、真面目な内容からライトな内容まで幅広い話題で対談が繰り広げられている。話が最初から最後まで一貫しているわけでもないので、目次を見て気になるトピックを読むといった読み方も良いと思う。

イメージをパッと形に変えるデザイン大全【尾沢早飛】

概要

  • 全12のChapter、合計39のテーマ、合計200点以上のデザイン作例が掲載された本
  • 「きれいな」「可愛い」「おしゃれな」などのイメージワード、その中で複数のテーマに分類、テーマごとに数点のデザイン見本とポイントの解説がされている
  • 解説されるデザインのポイントは「写真」「色」「レイアウト」「文字」

Chapter01 「きれいな」デザイン (透明感のある/ ピュアな/ 洗練された/ シンプルな)
Chapter02 「明るい」デザイン (さわやかな/ 若々しい/ フレッシュな)
Chapter03 「かわいい」デザイン (やわらかな/ 女性的な/ ロマンチックな)
Chapter04 「おしゃれな」デザイン (カジュアルな/ カフェ風の/ シンプルカジュアルな)
Chapter05 「楽しい」デザイン (ポップな/ 元気あふれる/ 遊び心がある/ 子供向けな)
Chapter06 「ナチュラルな」デザイン (あたたかな/ 素朴な/ 生命力にあふれた)
Chapter07 「信頼感のある」デザイン (ビジネスに合う/ 大人の風格がある/ 整然とした)
Chapter08 「高級感のある」デザイン (エレガントな/ 格調高い/ シック・クラシカルな)
Chapter09 「力強い」デザイン (インパクトのある/ 躍動感のある/ 男性的な)
Chapter10 「心に響く」デザイン (情熱的な/ アーティスティックな/ 斬新な)
Chapter11 「カッコいい」デザイン (クールな/ スタイリッシュな/ パンク・ロックな)
Chapter12 「ミステリアスな」デザイン (サイバーな/ 無機質な/ 光を使った/ 影を感じる)

感想

  • 本書はデザイナーやデザインに携わるビジネスパーソンが「辞書」的に手元に置いておくととても有用な本だと思った。
  • 「イメージワード」ごとに分類されているため、制作物のデザインテイストに相応しいワードの作例をパラパラと眺めるだけでもインスピレーションやヒントが得られそうである。
  • デザイン作例はビジュアルに加えて、そのデザインのポイントが解説されている。デザイナーが自身のデザインのコンセプトや意図を言葉で説明する際に、解説として言語化されている内容は、とても参考になりそうだと思った。

 


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